[2007年08月15日(水曜)]
N響コンサートマスターの音楽談義〜まろ様と聴くヴァイオリン名曲
金沢蓄音器館には、NHK交響楽団の方がときどき来館されます。
チェリストの桑田歩さんが2回来館されたのを筆頭に、ヴィオラの小野富士さん、ティンパニーの久保昌一さん、そしてコンサートマスターの篠崎史紀さんがお盆に緊急来館。
そこで、せっかくなのでお話を伺いながらSP盤でヴァイオリンの名曲を聴こうという趣旨での開催です。
さて、コンサートマスターといえば、観客の私たちには、
@指揮者が登場する前にチューニングをする
A演奏後に指揮者と握手する
Bソロ部分や激しい曲想の時に、頑張って弾いている
というイメージくらいしかありませんが、「本当はそのほかにどんな仕事があるのでしょうか」という問いには、「主治医ですかね」との答え。
つまり、「悪いところはすべて知っている。その日体調にあわせて運動(=演奏)させる」
そのほか指揮者との仲をとりもつという大切な役割については、「指揮者によって相性の善し悪しはあるのは当然で、好き嫌いというより、方向性の違いをどう歩みよるかどうか。
アマチュアは、指揮者の方向性に従う構図が多いだろうが、プロの楽団は、団員がそれぞれその音楽性を持っている。
ともするとバラバラな方向性の集団をスィープしつつも、さらに指揮者と正対にある場合は、ゆずるラインを決める」というなんだか難しい役割も。
時には、休憩時間に指揮者の楽屋で話し合うこともあるそう。観客にとっての休憩時間は、おトイレタイムで、演奏者は、タバコタイムなのかと思っていたら、時には休憩時間が長いな〜というときには、舞台裏では「会議」しているんですね〜。
まろ様といえば、ちょっとハデな燕尾服の裏地が話題になることもありますが、ただのハデ好きかとおもえば、「江戸の粋」なのだそう。
これもウィーン留学時代に外国人に言われてハッと気がついて取り入れた日本人としてのアイデンティティだとか。ロンドンで教わったパーティシャツもお気に入りだそうです。
SPレコードに関してもとても含蓄がおありで、蝋管レコードのことも取り上げてくださったり、CDには録音されていない「魂」がSPレコードから聴こえるのだとも語ってくださいました。
そのほか、最近力を注がれているジュニアオケの話も興味深く、幼少の頃から、天才バイオリニストの名をほしいままに34歳の若さで国内最高峰のNHK交響楽団のコンサートマスターに就任という輝かしい経歴なのに、気取ったところはまったくなく、それでいて真摯で楽しいトークの会でした。